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5月21日(日)第21回白雲会の指導内容をご紹介します

2023-05-31 

5月21日(日)第21回白雲会の指導内容をご紹介します
「白雲会」は、オンライン剣道学舎Haku Unが主催するオフラインの実践稽古会です。
Haku Un学院長であり尚道館三代目館長、岡田守正八段教士が剣道で最も大切な「基本」を直接指導されます。その学びを求めるHaku Unメンバーは、段位、剣道歴、老若男女を問わず、全国各地はもとより海外からも参集し、切磋琢磨しながら稽古に励んでいます。以下、先般行われた実践稽古会「第21回白雲会」における基本稽古の指導内容をご紹介いたします。

2023年5月21日(日) 10:00より開催 
第21回白雲会 於 国際武術研修センター 遊業庵(東京・東松原)

【基本稽古指導について】
朝10時の稽古開始から、約2時間にわたり基本稽古の指導がありました。
改めまして稽古内容を順に振り返ります。
① 背伸びストレッチ
リラックスして立てる幅に両足を開き、天井を突くように両手を伸ばす。首筋を上に引っ張る意識、目線が高くなるように背筋を伸ばす。

② 肩甲骨を開き、掌を前で打つ(「塵手水」)。
力士が土俵の上でやるように、肘を直角に上に曲げたまま腕を大きく開く。腕を回すように大きく動かし、肩甲骨がくっつくような意識で胸を張る。そのまま肩甲骨を開く要領で腕を前に出しながら、体の正面で両掌を打つ。この時、掌が合わさったところが体の中心となる。肩甲骨を閉じて開く運動によって、腕を体の中心に伸ばしていく意識を持つ。

③ 竹刀を持ち、構える。
「背伸びストレッチ」「塵手水」で得た意識のまま、竹刀を持ち、構える。
足の位置は、警視庁剣道基本に則り、両足の間に足がひとつ入るように前後左右に開く。
丹田を意識し、左拳の位置を確認。左親指の付け根が臍の前。

④ 姿勢を確認しながら、態勢を崩さない様に腰から歩み足、送り足。

⑤ 上下素振り。
構えたまま、左拳を額の上へ、拳ひとつ前の位置に振りかぶる。その時、横から見た竹刀の角度は45度。剣先が下がらない様に注意。振りかぶりでは肩甲骨を意識。ゆっくり竹刀が体の中心を通って降りていくように振る。肩、肘、手首、指先への意識。竹刀が下まで降りた時、手首は切り手になっているか。手首の上側が伸びていないか。

⑥ 茶巾絞り
指先の意識。いわゆる「茶巾絞り」について。指先で竹刀を扱う感覚。冴えを生むために。

⑦ 肩、肘の運動から、指先へ。
肩甲骨を閉じて、開き、振り上げる。肩の関節、肘の関節を軟かく遣い、手首、指先へ。指先から剣先に氣が伝わるよう意識する。手首から先には多数の関節がある。掌から指先の関節の働きを意識する。

⑧ 警視庁剣道基本「面の打ち方三挙動」を繰り返し、正面打ちへ。
正面打ちでは、肩甲骨の閉じて開く動き、肩肘の縦方向の関節動き、腕を伸ばす際には肩甲骨が前に出る動き。それぞれの関節を意識することで、リーチが長く使える。更に、腕を体の中心へ伸ばし、指先を意識して茶巾絞り。切り手で正面の空間を打つ。

⑨ お互いに向き合い、左右面。
空間打突で互いに左右面を打つ。最初は元が下がりながら、2回、相手の左、右と面を打つ。掛かり手は同様に、前に2歩、相手の左、右と打つ。必然的に、お互いの竹刀が面の位置で物打ち同士がぶつかる。切り返しへと発展していく動きとなる。

⑩ 相手の竹刀を打つ。
次に、お互いに向き合ったまま、元立は正面の位置で竹刀を横に構える。竹刀の一番太い部位を打たせる心持ち。掛かる方は空間打突の素振りの要領で、三挙動で正面打ち。
正しい構えが出来ているか。打突の際、肩甲骨、肩、肘、手首、指先が意識出来ているか。身体から動かして、腰を入れて打てているか。左足の引き付けが出来ているか。冴えが利いているか。基本動作の中に、たくさんの意識すべき要点があり、その一つ一つを疎かにしないよう、集中して打つ。

⑪ 早素振り
最後に早素振りで仕上げる。「やれるところまで続ける」という投げかけ。早素振りを長く続けるには、力を抜いて上記、体の動きを意識する。力みがなければ、無駄な動きもなくなり、疲労も軽減され、長く続けられる。

⑫ 基本稽古の後、5分休憩、給水し、面を着けて稽古へ。

以上、拙文にて失礼いたしました。
引き続き、「白雲会」へのメンバー皆さんの、より多くのご参加をお待ちしております。


文責/高橋博